【歯科日記㉓】遅すぎる初ミーティング‼︎ 4院目
痺れを切らしたA先輩。しかし、A先輩がリッチ院長に話に行くことはありませんでした。
時間だけが流れ・・・借金だけが増え・・・リッチ院長との溝は深まりリッチ院長は孤独を感じていたでしょう。
リッチ院長は早く帰る日が増え、理由はあまり言いませんでしたが、「実家に帰る」とポロっと話しました。
(あぁ・・・親にお金を借りるんだなぁ~)
さすがに私もこれ以上は放ってはいけないと思いました。4院目、これ以上転職はしたくなかった。
私はついに立ち上がることにしました!!
狭い院長室の重いドアをノックする。
えまる「リッチ院長、少しお時間よろしいですか??」
リッチ院長「おぉ!!どうしたの??大丈夫だよ!!」
えまる「今の現状について1回みんなと話し合いませんか??」
リッチ院長「いいね!!お昼から話そうか!!」
そして、やっと私たちは問題と向き合い始めるのです。
リッチ院長「で、何話すの??」
(お~い!!おい!!何話すの??だと・・・??)
えまる「オープンして半年経ちますが、正直、今、大赤字ですよね??」
リッチ院長「そうだね。赤字だね。前、実家にお金借りたから大丈夫だよ。みんなの給料を減らしたりなんて絶対にしないから。」
えまる「でも、このままだと潰れます。新規の歯科医院が3年以内に潰れる割合知ってますか??3割以上です。確実にうちは閉院に向かってます。」
A先輩「この状態が続いたらあとどのくらいで資金がなくなるのですか??」
リッチ院長「このままだとね!?このままだと・・・半年、1年かな??」
Bちゃん「え~なんでここにオープンしたのですか??」
リッチ院長「デパートだし、駅の近いしいいなぁ!って。」
Bちゃん「この地域は、歯科の町だからライバルが多いですし、高齢者がとても多い街です。自費診療だけだとドン引きですよ。」
A先輩「生保も多いからね・・・保険診療始めませんか??」
リッチ院長「僕は自費診療しかしたことないし、それで何百万、何千万と売り上げてきたから成功するはずだけどね」
えまる「でも、それは大手美容歯科で知名度が高く長期間の積み上げてきた努力と患者様がいたからでしょう??うちは新規オープンで知名度があるわけでもないですよ??」
えまる「とにかく患者様が来てくれないと始まらない。口コミされるように満足度が高いサービスを提供し、ターゲット客層に当てはまる宣伝方法をする‼︎
SNSを使ってみたり、フリーペーパー。せっかくデパート内なんですから、まずはデパートの店員さんに来てもらってもらうようにするとか・・・」
リッチ院長「SNSか~僕わからないからなぁ。Bさん得意じゃないの??」
Bちゃん「得意じゃないけど。まぁ使いますけど」
リッチ院長「Bさん、医院のインスタとかやってみてよ!!」
Bちゃん「はい」
A先輩「あと、今はお花やアロマや絵とか買ってる場合ではないですよ。利益ないのにお金使ってどうするんですか!!」
リッチ院長「・・・涙目」
えまる「それから、黒字するために目標売上や目指す客単価とか計算して、まず歯科って分かるように看板だしましょう!!」
えまる「暇そうで暗いオーラがあるから活気や動きがある明るい雰囲気を出しましょう。院長とコミュニケーション不足もありますし、少なくとも週1でMTGはして勉強会しましょう??」
リッチ院長「そうだね、コミュニケーション不足だった」
A先輩「あと、カウンセリング時にいきなりびっくりする金額言わないでください。患者さんが一気にドン引きしてその後がやりにくいです。メニュー表を作ってください。必要であれば私たちが提案して軽く触れてから院長にタッチするので。」
リッチ院長「今までこれでやってきたからね・・・そうだね、気を付けるよ」
半日かけて色々話しました。
そして後日、私は個人的にリッチ院長と話し合い、細かいお金の動きを少し教えてもらいました。想像以上に全くお金の管理をしてなかったです。
狭い院長室には「初めての保険診療」(正式名称は忘れましたが歯学生向けのような本)が新品のピカピカの状態で増えていました。
話し合うことは、すぐにできるけど話し合ったことを実行する、習慣にする、ということはもっと難しいと壁にぶつかるのです。