【歯科日記⑩】壊れていく自分と嘘 2院目
仕事行きたくない。胃が痛い。頭痛い。吐き気する。体が動かない。
行くとまた、恐ろしい程忙しい仕事を朝から夜まで、無理して笑顔でいい子でいなくちゃいけない。
あれもこれもしなくちゃ、あれもこれも作らなくちゃ、あれもこれも勉強しなくちゃ・・・もう自分が自分じゃないみたい。
たまに実家に帰っては、親に八つ当たりして泣く。たまに彼氏にあっても嫌味をいってしまう。たまに友達にあっても愚痴ばかり暗い話をしてしまう。
寝ても夢の中でも目が覚めてもずっと仕事のことばかり・・・まるで奴隷だ。
どんどん自分が壊れていく。
何が嫌でどうして辞めたいのかすら、考えたくないし考える余裕もない。
毎日、医院のため、院長のために、一生懸命、理想を演じているだけ。
どうしたらいいんだろう・・・。
この頃は、心療内科にもお世話になってしまいました。
パートの先輩に相談をしました。
「ここは、辞めさせてもらえないよ。ブッチするか、妊娠しないと。特に、えまるさんには、期待が大きいからねぇ・・・笑」
引っ越し費用から給料まで増え、どんどん辞めにくい状況になっていく。次こそは絶対にやめなくちゃ。でも、ここまで育ててもらった感謝もあるし、嫌な終わり方はしなくないという気持ちもあるけれど。
そんなある日、健康診断がありました。
何かの数値がひっかかったのか、なんだったのかよく覚えていませんが、お医者様に
「疲れてるね、休んだ方がいいよ」と言われました。
(やっぱり体は、正直だな・・・限界だよ。助けてよ。)と、涙ぐんでしまいました。
できない、きつい、嫌だ、など言っても、院長はマイナス言葉を許してくれない。それなら逆に自分には、目標や夢があるんだって伝えた方がうまく辞めれるかもしれないと考えました。
3回目の退職を伝えにいきました。
「実は、彼氏と同棲することになり、○○に引っ越します(嘘です)。前から訪問歯科に興味があり○○の方で良い歯科を見つけ新しく挑戦してみたいと思っています(嘘です)。
あと2か月ほどで退職させてください。ギリギリまで働きたいと思ってますし(嘘です)新卒ちゃんに引き継ぎもしっかりします。」
院長は、「そうですか・・・・」と少し考えたあと「わかりました」と言ってくれました。嘘って感じたのかもしれません。
それからは、心も身体も楽に感じ、開放感がすごくありました。
でも、新卒ちゃんはとても不安そうでした。心の中で(ごめんね・・・でも私、限界なんだ。ごめんね。)と思っていました。
そして、送別会があり無事、退職しました。
月給23万 有給は幻。休憩は奇跡。公休は勉強と資料作り。年中無休のシフト制。
半年以上経ったある日、街中でパートの先輩に会いました。
「新卒ちゃん、あの後、すぐやめたんよ。えまるちゃんの存在が大きかったみたい。これは院長が言ってた」
すごく申し訳ない気持ちになりました。
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